155号
2002年12月号


 TOP NEWS
収穫の2学期 実りの2002年
                             校 長   磯 部 吉 秀
 今年の4月から土曜日はお休み。23日は天皇誕生日ということで、3連休のあと登校してきての終業式。いっそのこと金曜日に終業式をすませてしまい、1月に1日早く始業式をした方が、生活のリズムからしても効率的なのになぁ。岩国市もそのあたりを、柔軟に考えてくれればいいのにと思ってしまう今日この頃です。
 それはさておき、22日は「冬至」。1年中でいちばん昼が短く、日差しが最も低い日でもあります。職員室で仕事をしているとこれが実感できます。九時過ぎになってやっと太陽が見壁山の向こうに顔を見せます。それもつかの間、子どもたちが昼ご飯をすませて、再び学校へやって来た時には、もう太陽の姿は見えません。
 この冬至については、いろいろな風習があるようです。私の生まれ育った田舎では、まず「冬至のカボチャ」。昆布や油揚げといっしょに煮たものが、12月に入ると毎日のように食事に出されます。カロチンが豊富で風邪をひきにくいというのは分かるのですが、夏からずっと食べてきたので、何で今更という気がしたものです。というわけで今でも、カボチャ料理はちょっと苦手です。 次は「ゆず湯」。裏山から形の悪いのを摘んできては、風呂に放り込みます。今の入浴剤のように強い香りではありませんが、「ひび」や「あかぎれ」の痛がゆさに悩まされた身には最高の気分。皮をむいたり、中の種を投げ合ったりと長湯をしたものです。
 昔話をしているうちにいよいよ今学期も、そして今年も残り少なくなってきました。
 運動会が終わった10月の中旬から急に寒くなり、秋を飛び越して冬がやってきました。また、少雨傾向は相変わらずで、お正月を前にして島の水不足が心配です。  
 さて、2学期の学校生活を振り返ってみますと大きな行事や楽しい行事がてんこ盛りでした。
  まずは何と言っても端島大運動会。海くん侑ちゃんのたくましい成長と、島のみなさんの協力体制のありがたさ。私はあの日の日本晴れが忘れられません。
 小瀬小学校を訪問しての交流学習も思い出の一つです。小瀬小学校もわりと小さな学校ですが、海くん侑ちゃんにとっては何十倍にも感じられたのではないでしょうか。全校集会にも参加して、コミュニケーションをとることのむずかしさ、大切さを感じ取ったことだと思います。隣の柱島や小瀬、また、広島の古頃などとの交流はこれからも大事にしていきたいものです。
 12月は「ヒジキ採り」と「もちつき」。両日とも教室の机についての「座学」ではなく、文字どおりの体験学習でした。自分たちの周囲にある自然環境に目が向き、日本の伝統的な行事も堪能することができたことたと思います。これからも豊かな自然と温かい人々との関わりの中で学習を進めていきたいと思っています。
 話はまた冬至に戻りますが、お年寄りや先生が「冬至 冬なか 冬はじめ」と言っていたことも思い出されます。「冬も半分が過ぎましたが、厳しい寒さはこれからですよ。」といったような意味でしょうか。
 まだまだ寒さはこれからが本番。運動場を取り囲む桜をはじめとした木々はすっかり葉を落とし、眠りに入ったようにも見えます。しかし、これは来たるべき春に備えて、小さな芽を守っての冬ごもり。子どもたちを含め、皆さんも新しい春を迎えるために元気にお過ごしください。

 TOPIX
どうぞ召しませ 寒生-なま-ヒジキ





 寒さも厳しくなり、おいしいヒジキが採れる季節となりました。端島神社前や足垂の海岸には、長さが60pを超え身も引き締まり歯応え抜群のヒジキが文字通り「繁って」います。先日島内を散歩していた折り、松本イツエさんにゆでたてのヒジキをいただきました。僕がこれまで食べたことのあるヒジキは一度カラカラに乾燥させたものばかりだったので、この「生ヒジキ」の味には大きな衝撃を受けました。味は濃厚で、歯応えもしんなりと柔らかい。こんなにおいしいものが目の前に群生しているのかと思うといてもたってもいられなくなり、みんなでヒジキ採りに出かけることを進言したというわけなのです。
 潮のよい日の早朝、端島神社前の海岸へ。鎌を片手に30分ほどがんばると、土嚢袋4つほどのヒジキが採れました。採れたヒジキは学校に持ち帰ってさっそくシゴをしました。混ざり物をとるために数回水にくぐらせます。運動場で薪で火をおこし、大きな鉄鍋で湯を沸かします。煮えた湯の中に入れた瞬間、ヒジキはその姿を一変させます。黒褐色からサアッと鮮やかな緑色へ。そのまま煮ること3時間、山ほどのヒジキがふっくらゆであがりました。できあがったヒジキはその日のうちに小さなビニール袋に小分けして、オリジナルラベルを貼り付けて、日頃お世話になっている島外の方々へ発送いたしました。

 送り先のみなさんからは、

「本当においしかったです。やはり生ですね」

「市販のものと比べると、とても柔らかいです」

「寒生ヒジキありがとうございました。今部屋の中が磯の香りでいっぱいです」


といったお返事が届き、みんなでよかったねーと喜びました。



もちつきマラソン W(ダブル)大会
 2学期も残りわずかとなった12月17日(火)に「もちつき大会」と「マラソン大会」をダブルで実施しました。
 もちつきに使ったもち米や小豆は校長先生の家で穫れた自家製のもの。どちらも今年穫れたばかりという新米・新豆だそうです。
 つきたてのおもちはもちろん、もち米を蒸した「おこわ」を塩でむすんだおにぎりがこれまたおいしいのなんのって。子どもたちやお母さん方といっしょに3升分のおもちをつきあげました。「大納言」という銘柄の小豆は粒も大きく、とてもおいしいアンコに仕上がりました。中にちょっと粒が残っている感じで、「豆を食べている」という実感がわいてきます。
 おもちをついた後は、マラソン大会です。今年から走る距離が1000mに伸びました。11月中旬から毎日走り続け、当日を迎えました。こうした日々の地道な努力を続けたふたりをほめてあげたいと思います。マラソン大会はそのがんばりの一つのけじめです。風を切って走る子どもたちに島の方々が沿道から声援を送ってくださいました。大きな励みとなったことでしょう。
 マラソン大会の後、つきたてのおもちを入れた「ぜんざい」をいただきました。みんなでワイワイにぎやかに楽しくいただくからでしょうか。心の奥までじんわりとあたたまりました。




この日は、英語を教えてくださるカイル先生(ALT)が来られる予定です。


 編集後記 〜 潮騒
メリークリスマース!
◆今年も残りわずかとなりました。僕たちが小さい頃は年の瀬ともなると、大人たちが年越しの準備に右往左往する様子をそばで見ているだけで「もうすぐ大晦日だ。お正月なんだ」とワクワクする気持ちをふくらませていたものです。
◆ところが大人になってしまうと、年末の日々が淡々と過ぎていきます。心に余裕がないからでしょうか。このぶんでは何となく大晦日を迎え、何となく新年を迎えて、何となく3学期が始まってしまいそう…。そんなことを考えているとだんだん寂しくなってしまいます。
◆だから僕は「季節感のある行事」をできるだけ子どもたちと楽しみたいと思っています。今年も節分や七夕といった季節の行事を大切にしてきました。
◆この時期は端島もクリスマス一色となります。校門の庭木をツリーに見立てて飾りつけました。こうして端島新聞を書いている今も、子どもたちが家庭科室でクリスマスケーキを作っています。スポンジケーキを焼いてフルーツとクリームを盛りつける本格的なケーキです。
◆こういう時の子どもたちの顔はまばゆいばかりに輝いています。この子どもたちの生き生きした笑顔を見られるだけで、みんなとっても幸せ。この笑顔とともに2002年が暮れていきます。
◆来たるべき2003年も子どもたちの笑顔があふれていますように。そして、みなさんにとってよき年でありますように・・・・・・。