153号
2002年10月号


 TOP NEWS
「おかげさまで」大盛況の端島大運動会                   
校長   磯 部 吉 秀  
 
開会式〜「決意の言葉」を腹の底から叫ぶ
 再開校後3回目の端島大運動会が、雲一つない澄みわたった秋空のもとで開催されました。
 島が浮き上がるほどの熱気と笑い声がはじけ、大盛況のうちに終了することができました。
 しかし、企画が煮詰まるまでの私は不安でいっぱいでした。
 まずは天候。2学期に入ってからは不思議なことに、週末になると天気がくずれ雨模様。(10月になっても、この傾向は続いているようですが)ところが10月の第2週は連日の快晴。練習、準備とも順調に消化することができました。
 次に、競技や会場をどのように構成していくかという問題。これまでの形式を伝承しながらも、新しいものをどんどん取り入れていくことにしました。『踊る!端島っ子』に代表される競技演技には、古屋教諭が創意工夫をこらしました。校門前の歓迎大漁旗や入退場門などは、島の皆様のアイディアによるものです。
 最後は、私にとって端島での初めての運動会という心配。私自身、勤務校、住んでいる地域、体育指導員としての運動会など数多く経験してきたのですが…。古屋教諭に聞き、記録写真やビデオテープを見ることによってイメージをふくらませていきました。
 そんな気がかりも杞憂に終わり、運動会に参加された方々からは「お天気・競技内容・会場の飾り付け等、どれをとってもすばらしかった」と恐縮するくらいにおほめの言葉を頂戴しました。ふたりの児童の満足感に満ちた笑顔を見て、本当にいい運動会だったと、私までうれしくなりました。



 さて今回の運動会を通して改めて、島の人々をはじめとする周囲の方々の「温かい支え」というものを感じ取りました。
 今日、豊かさの中で「感謝」の気持ちを忘れ、「おかげさまで」の言葉を忘れていく現代の子どもたちを見ていると、ふと寂しくなります。ひょっとしたら大人の世界が、「心豊かであることが大事である」ということを忘れてしまっているのかもしれません。
日本人は古くから「おかげさまで無事に戻ってきました」と手を合わせ、「おかげさまで元気になりました」と感謝し、「おかげさまで収穫が終わりました」と神仏に海の幸山の幸を供えてきました。また、隣人を思いやる地域の人たちとの交流を大事にし、自然にも感謝し、その自然をこよなく愛してきました。
 今静かに振り返るとき、私たちは多くの人々の励ましや笑顔に支えられて毎日を過ごしていることに気づきます。端島の子どもたちを見ているとなんだかほっとします。多くの人たちの愛情に囲まれて育てられています。
 子どもたちがこの幸せに気づき、「おかげさまで」と素直に、そして心から言える大人に育ってほしいと願っています。


 TOPIX
『端島のお祭り』〜「むかべ学習」より〜
 交流をしている広島県の古頃小学校から、「端島にはどんなお祭りがありますか。ぜひ教えてください」というお手紙が届きました。
 ちょうど端島新聞152号・端島歳時記のコーナーで「八朔の祭り」について紹介しましたが、そのほかの「端島のお祭り」については子どもたちもほとんど知りません。そこで自分たちでもおうちの人に聞いたりしながら「お祭り」について調べ、まとめたものを古頃小学校に送ることにしました。

【えびす祭り】

 魚がいっぱいとれるように、そして海の安全をおねがいするために、たゆうさんがえびす様におがみます。えびす様とは、つりざおを持っていて、大きな魚をかかえた神様です。
 えびす様におそなえをします。おそなえ物は野さいと魚です。野さいは山のもの、魚は海のものという意味だそうです。

えびす様の祠
実はこの写真の中に、
「いのこ祭り」で使われていた
「いのこ石」が写っています。
探してみてください。
【おせったい】

 おだいし様、おじぞう様をおせったいします。島のおばさんたちが豆ごはんを作ってお世話をするんだよ。


丘の上の大師堂
【秋祭り】

 みんなのけんこうや安全を氏神様におがみます。おみこしなどはありませんが、端島のみなさんが集まって、お宮の中でおがみます。
 むかしはえん日も立っていたらしいです。ぼく、早く生まれとけばよかったなあと思いました。

りの日には幟(のぼり)が立ちます
これが端島神社・本殿です
【いのこ祭り】

 7キロくらいの石で地面をつく。石につけるつなは子どもたちが作るんだそうです。歌いながら子どもたちが島中の家を歩き回るそうです。おこづかいがいっぱいもらえるそうです。

かつて行われていた端島の「いのこ祭り」
〜郷土史「忘れじの母校」より〜






 11月29日(金)の授業参観では、児童の各家庭へのインターネット開通を祝して、「親子パソコン講習会」を実施する予定です。

 編集後記 〜 潮騒
◆今年の運動会も無事に終了。これまで2年連続苦杯をなめ雪辱に燃えた紅組が優勝、白組の3連覇を阻止しました。これで対戦成績は白組の2勝・紅組の1勝となり、来年度からの激闘に期待もふくらみます。

◆今年の運動会に際しましても、多くの方々にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。
◆お忙しい中はるばる端島へ帰って来てくださったみなさん。お隣から加勢に応援にと駆けつけてくださった、柱島のみなさん。柱島小中学校の先生方には当日のお手伝いを快く引き受けていただきました。児童生徒のみなさん、今年も勇壮な応援をどうもありがとう。
◆端島の運動会は、年々駆けつけてくださる人が増えています。今年は磯部校長先生のご家族、そして前任校である小野田市立本山小学校の先生方までもがお手伝いに来てくださいました。そして、前任の恒松徹生校長先生とその奥様もお越しくださいました。同窓会のような懐かしさに誰もが笑顔になりました。
◆運動会を、学校を核としたネットワークが少しずつ広がりつつあることを幸せに思います。
◆そして何より、この端島大運動会を毎年盛大に開催できるのも、端島のみなさんのご協力があればこそです。事前の準備から当日の運営、後かたづけにいたるまで、みなさんのお力なくして端島の運動会は決して成り立ちません。これからも端島のみなさんにはお世話になることばかりだと思いますが、私たちもこの端島のために精一杯頑張っていく所存です。
◆端島のみなさんといつまでもいつまでも、元気に力を合わせて頑張っていければと思っています。