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147号 |
| 2002年3月号 |
| TOP NEWS | |||||||||
| 限りなく理想に近い学校 校長 恒 松 徹 生 | |||||||||
本年度は、年度当初より、「伝え合う力」に重点を置き指導してきた。相手に自分の思いを伝える音読であったり、表現であったり、それらが確実に結実した。小さな島の小さな小学校。しかし、実りは確かだ。 なぜか。 それは、子どもの願い、教師の願い、学校の願い、保護者の願い、地域の願い、それらがすべて一点を向いているからだ。侑ちゃん、海くんの成長である。このことは当たり前のようで、他地域では、そうはいかない。それぞれ願いが拡散する。一生懸命やっていてもなかなか成果に繋がらないのだ。 この一年間を振り返り、児童たった2人の学校を思う。ときどき不安もあったが、今では、胸を張ってこう言える。
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| TOPIX | |||||||||
| 輝け! 学習発表会 | |||||||||
| 去る3月16日、今年度の学習発表会が行われました。端島大運動会と並んで本校の二大行事である学習発表会に向けてがんばる子どもたちは、今年もキラキラと輝いていました。 ◆◇みんなが一つになって◇◆
校長先生は大道具のご担当で、「かさこじぞう」ではもっとも大切な六地蔵の製作をお願いしました。海岸のあちこちに転がっている発泡スチロールをガリガリと防波堤で削り、形を整え、リアルな質感の地蔵様ができあがりました。 浦浪さんには衣装・小道具作りでお世話になりました。島の方から譲っていただいた昔の着物に、わざわざツギまで当てて「貧しさ」を演出。じいさま愛用の「みの」「わらじ」「しょいこ」も古式にのっとった本格的な仕上がり。ここまでこだわると、古めかしさを通り越してカッコいいんですよね。すごいな、昔の日本人って。 僕は効果音やナレーションのCDを作ったり子どもたちの演技指導をしたりと、主に演出を担当しました。(ちなみに子どもたちが劇中で歌う挿入歌のピアノ伴奏は、校長先生の奥様にお願いしました。どうもありがとうございました。) 子どもたちは日々練習。ひたすら練習でした。 かいくんは「じいさま」、ゆうちゃんは「ばあさま」です。練習を重ねるごとに演技が上手になっていきます。声の張り、観客の方をグッと見ながら注目を集める絶妙な間の取り方など、こちらが教えること以上に自分たちで演技を工夫できたようです。それは、「かさこじぞう」のお話を繰り返し読むことで登場人物の心情を理解し、人物になりきるために彼らが努力した結果であり、成長の証なのだと思っています。 ◆◇みなさんの想いを胸に◇◆ 学習発表会本番は大成功でした。詩の朗読、劇、合奏、挨拶など、子どもたちは一つとして気の抜けない数々の大役をすべてやり遂げました。たったふたりの2年生が…。 その重圧を吹っ飛ばした根性と責任感には、心から拍手を送ってあげたいと思います。 そして、いつも子どもたちのがんばりをほめてくださり、その成長を見守ってくださる端島のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。 当日もお忙しい中にもかかわらず、たくさんの方々が足を運んでくださいました。 何日も前から楽しみにしていたとおっしゃる方。子どもたちに会うたびに「がんばりいよ。見に行くからね」と励ましてくださった方。当日の朝、開演時刻に間に合うようにと1時間以上も早く家を出られたというトシコおばあちゃんは「近頃足の具合がようないんじゃけど、発表会に遅れちゃあいけんからね」と話しておられました。 …思わず涙が出そうになりました。 島の道は長く急な坂道です。その道を端島のみなさんが子どもたちのためにと学校をめざして来てくださったのです。 みなさんのあたたかい心が端島の子どもたちを、のびやかに健やかに育ててくださっているのだとあらためて心を打たれました。 いつも子どもたちには言い聞かせています。 「君たちが元気にがんばれるのも、家族のみんなが、島のみなさんが、たくさんの人たちが君たちを応援してくださっているからだよ。その人たちへの『ありがとう』という気持ち、感謝の気持ちを決して忘れてはいけないよ。」 だから子どもたちは知っています。感じています。 自分たちの背中をいつも支えてくださっている、端島のみなさんのあたたかな想いを…。 学習発表会の成功は、次の目標への新たな出発でもあります。子どもたちはこれからも努力を続け、自分を磨き、来年もまた新たな輝きを見せてくれることでしょう。 端島のみなさん。これからもこの子どもたちを励まし、支えてくださいますよう、よろしくお願いいたします。
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| 編集後記 〜 潮騒 | |||||||||
◆子どもたちが駈けていきます。みいくんも力強く走っています。自分の足で元気よく駈けていきます。2年前のあの日も桜咲くおだやかな春の日でした。恒松徹生校長先生と僕が初めてこの端島にやって来たあの日。みいくんはまだ乳母車に乗ってたっけ… ◆端島小学校が再開校して2年が過ぎました。一度閉ざされた歴史を甦らせ昔の勢いを取り戻すために、校長先生は大変に尽力されました。いつもそのそばで勉強をさせていただいた僕はそのご苦労をよく知っています。校長先生はかつての端島小学校の遺産を引き継ぐとともに、新しい端島小学校を創り出されました。そのお手伝いができたことを僕は誇りに思います。 ◆子どもたちがどんな時も歯を食いしばってがんばってこられたのも、そこに校長先生の笑顔があったからこそです。笑顔でがんばるということは一番難しいことだけど、実は一番大切なことなんだということを子どもたちは校長先生に教わりました。 ◆復活した学校が軌道に乗ったのを見届けられた今、校長先生はこの端島を去られます。そのことを伝えた時、子どもたちの目に涙が浮かびました。大好きな人とのお別れ。子どもたちにとっては初めての涙です…。 ◆僕は言いました。こういうときは思いっきり泣いてもいいんだぞ。だけど下を向くんじゃない。流れる涙を拳でぬぐって顔を上げなさい。その人の顔をしっかり目に焼き付けなさい…出会いがあるから別れがある。人は別れの涙を流して大きくなっていく。子どもたちが流す涙は校長先生の最後の教えです。 ◆2年前には五分咲きだった端島の桜も、今年は校長先生の出立に華を添えるかのように満開です。
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