140号
2001年4月号


 TOP NEWS
21世紀に何をめざすか   校長 恒松徹生
今年もこのメンバーでがんばります!!
 21世紀はじめの新年度がスタートしました。入学式のない少し寂しい船出でしたが、海くんも侑ちゃんもとても元気で、清々しい航海のスタートが切れました。26本の桜に囲まれ、4月とは思えない温かい太陽が学校を包みます。21世紀の端島丸は何をめざすのか?教育面の少し固い内容ですが、以下、その点について。
 本校は、昨年度1年生2名の入学を契機に、小学校として12年ぶりに再開校しました。
 教師2名ですが、しっかり研修しています。その研修のテーマは「少人数学級の特性を生かし、自ら考え、主体的に活動しようとする児童の育成」というものです。
 児童2名の、21世紀を「生きる力」の根幹を「自ら考える力」および「主体的に活動する力」ととらえ、その具現化として、サブテーマを「自ら求めて学習する力を育てる」としました。昨年度は、そのスタートとして、その力の基盤となる基礎・基本の習熟に重点を置いて研究を開始しました(1年次)。学年末の学習発表会の大成功にも現れたように、児童の基礎・基本の一端は確かに定着してきました。「基礎・基本」を「内容的な側面」と「方法的な側面」に分けると、その前者は確かに身に付いてきたと思います。
 課題として残されたものは、後者の「学び方」の側面です。今年度、児童2名は第2学年です。来年度は第3学年となり「総合的な学習の時間」も始まります。総合学習を生かす、あるいは総合学習につなげるためにも「基礎・基本」の方法的な側面としての「学び方」の指導は不可欠と考えました。
 そこで、本年度は「学び方」の指導の研究に力点を置きたいと思います。第2学年の各教科の学習を総合学習につなげるための土台となる「伝え合う力を育てる」学習の研究です。
 「伝え合う力」? この言葉は、新学習指導要領での国語科の目標に加えられた注目すべきキーワードです。国語に限らず、各教科と来年から始まる総合学習ともクロスする大切な言葉と考えます。「伝え合う力」を育てる学習活動は、「自分開き」の要素をもつとともに、「人にわかりやすく伝える」「人のいうことをよく聞く」といった「伝え合い」の基礎的な力を育てます。
  実は、この「伝え合う力」は、小学生に限らず大人になってもとても必要なものです。相手の話を聞きながら、自分の考えを相手に伝える。たとえば、侑ちゃんに「海くんって、どんな人?」と問えば、侑ちゃんはそれなりに自分の言葉でそれに応える。言葉のキャッチボールです。大人のみなさんは出来ますか? そういったことの基礎を今年は子ども達に身に付けさせたいと思っています。
 さらに、「伝え合う力」をより有効に育てるためには、伝えるべき相手が必要です。端島小学校ホームページ、手紙等を生かし、様々な学校と交流していきたいと思っています。         端島の皆様、また、来島される方々、子ども達を見かけましたら、是非、一言二言、言葉のキャッチボールをしてください。「学校では今、どんな勉強しているの?」「校長先生ってどんな人?」等々。

 TOPIX
3DCG(3次元コンピュータグラフィック)で見る
端島近海の島々
 @ 見壁山山頂より北を望む  いつでしたか、この端島新聞で「いつか見壁山の頂上からの景色を眺めてみたい」と書きました。しかし見壁山の現状から考えると、それはどうも難しそうです。
 そこで、もはや宿願ともなりつつあるその思いをいくばくか叶えられたらと、パソコン上で疑似体験してみることにしました。
 ここに紹介している3点の画像は、写真ではありません。端島近海の等高線地図をもとに、その地形を3次元的に作成したイラストです。
 島のみなさんが「そりゃあ、すごかったいの」とおっしゃる見壁山の頂上からの眺望も@のイラストで体験できました。(もちろん、実際のすばらしさにはかなうべくもありませんが)
 パソコンでの疑似体験も、なかなか楽しいものです。たとえば、柱島の頂上から端島を眺める画像や、地上数百メートルからこの端島を見下ろすような画像も作ることができます。
 ちなみにAのイラストは、端島神社から、朝日も眩しい柱島を眺めた様子。
 Bのイラストは、柱島から高速艇「すいせい」に乗って、夕映えの端島に迫る様子をイメージして作ったものです。このようなアングルはこの端島の中にいるかぎり、なかなか写真に撮れそうで撮れません。それこそ高速艇に乗り込んで撮影でもしなければ。 
 それにしても端島と柱島、こうして並べてみると対照的な形をしています。
 鋭角的でシャープな形状の柱島。こんもりしてなだらかな感じの端島。 特に見壁山の丸みは、何ともいえない優しさを醸し出しています。岩国港を出発して、高速艇に揺られること50分。この山の優しい姿が見えてくるといつもほっとした気持ち、懐かしい気持ちにさせられます。
 島外のみなさんもぜひまたこの島影を見に、この端島へ帰っていらしてください。


 A 端島神社から柱島を眺めると
 B 夕闇迫る端島
 端島歳時記
おいしい『スッポン』
 先日子どもたちと端島道路を一周していると、「あれっ! 見て見て!!スッポン!!!」の大声。
 えっ、スッポン? どこにそんなカメが…「ちがうよ、先生、これこれ」
 子どもたちの指さす先には高さ1メートルほどの植物が。別名スカンポとも呼ばれる植物です。
 このスッポンに、子どもたちは目の色を変えて飛びついていきます。そして皮をむいてまるごとガブッ! ガジガジ!!
みるみるうちにたいらげてしまいました。
 いっしょにかじってみましたが、セロリの食感にグミの酸味。これもやっぱり、「春の味」なんだなと納得してしまいました。

 編集後記 〜 潮騒

◆国語の授業で初めて『劇』をしました。教科書の物語『まど』を劇にしたものです。登場するのはウサギにリスに、キツネの子。ヒツジの先生にタヌキの子。かわいらしい動物たちです。
◆演じるのは二人の子どもたちです。一人二役どころではありません。
◆さっきまでヒツジ先生だったかと思うと、今度はキツネのお母さん。場面が変わると大道具・小道具さんにも早変わり。いやはや、出ずっぱりです。
◆もちろん劇なのですから、覚えなくてはいけない台詞もいっぱいあります。時にはアドリブでつながなくてはいけない場面も。
◆子どもって、すごいですね。あんなにたくさんの台詞にたくさんの役割り、こんな短期間によく覚えられるなぁ。
◆だけど「『劇』だからこそ」ともいえます。これらの台詞を教室の椅子に座ってしゃちこばって暗唱するとなると、ずいぶん話は違ってくることでしょう。
◆劇。そこには子どもたちの創造的な躍動があります。より意欲的な子どもたちの姿がうかがえます。そしてそれらは、人が学習するために一番大切な要素です。
◆意欲・興味を持って学習できる時。自分から求めて何かを学べる時。人間にとってもっとも幸せで充実している時かもしれません。
◆我々教師はいつも考えています。どうしたら子どもたちの興味を喚起し、意欲を引き出してあげられるか。
◆だからこそ「体験」なのです。見て、聞いて、さわって、においをかいで、味わって。そんな実体験が子どもたちの好奇心をくすぐり、さらなる意欲につながっていくのです。
◆今年度も、より楽しく主体的に学べる「場づくり」「教材づくり」に努めたいと思っています。