平成14年7月4日(木)〜5日(金) 

直前まで悩まされた「台風」 

 今回の自然教室は柱島小中学校との宿泊活動をベースに、2日目から小瀬小学校が合流という計画でした。
 ところが直前になってから様子がおかしくなってきました。大型の台風が日本に向かっているというのです。小瀬・柱島・端島の校長先生方が何度も連絡協議をされ直前まで検討をされた結果、今回の小瀬小合流は中止ということになってしまいました。海における台風の影響は陸のそれとは比べものになりません。特に小瀬小のみなさんには遠く船に揺られてやって来られるわけですから無理をさせるわけにもいかず、決断された校長先生方にとっても苦渋の選択となってしまいました。
 端島の子どもたちもがんばってあいさつの練習などをしてきたのですが…残念です。


テントに四苦八苦 曇天の海水浴

 柱島のみなさんが到着された後、はじめの会を開きました。中学生3名・小学生3名での自然教室です。
 午後はテント設営から始めました。端島小学校には休校時代に宿泊施設として使用されていた歴史があります。ですから今でも学校にはテントもありますし、簡易カマドもあります。運動場横には屋外トイレも設置されていますし、自然教室にはもってこいのロケーションといえます。
 さて、テントです。組み立て方をよく知らない者が集まって(先生も含めて)四苦八苦しながらようやく完成しました。こんな時、やっぱり中学生は大変頼りになります。端島の子どもたちも2年前(1年生の頃)に比べると、ずいぶんしっかりしてきたようですね。

 
 このあとみんなで船瀬海岸へ海水浴へ出かけました。
 天候はあいにくの曇り空でしたが、海水に入ってしまえばなんてことはありません。むしろ水の中があたたかいほどでした。ここでは柱島の村尾校長先生が大活躍。浜からの投げ釣りで20pオーバーのキスを連続でゲット。ゴカイも現地調達ということですから、校長先生のたくましさには子どもたちも瞠目です。おかげさまで、夕飯のおかずが一品増えました。


カレー作り キャンプファイヤー 花火大会

 カレー作りではなんといっても、中学3年生のお姉ちゃんが大活躍。日頃から家でよくお手伝いをしているということで、ジャガイモ・ニンジンの皮むきからカレーのアクとりまでなんでもござれ。尊敬の眼差しを集めておりました。ゆうちゃんもがんばってます。男の子とか女の子とか関係ないといいながら、やっぱり女の子は普段から家でよくお手伝いをしているんだろうなあと感心させられますね。もちろん男の子諸君も、自分たちで仕事を見つけてはがんばってくれました。
 カレーライスはおいしくできあがりました。みんなで食べる食事はまた一段とおいしく感じられます。しかも保護者の方から魚の差し入れをいただき、グチという魚のフライをカレーにのせて食べました。名付けて「グチカレー」。…名前だけを聞くと引いてしまいそうですが、白身のグチはカレーにもよく合いました。
 夜のメインイベントはキャンプファイヤー。グラウンドの真ん中にまきを小高く積み上げる、小さな小さなキャンプファイヤーです。午後8時。磯辺校長先生扮する“火の神”が、ふたりの“火の女神”をしたがえておごそかに入場です。火の神様の口上の後、点火。勢いよく燃え上がりました。
 それから、みんなでファイヤーを囲んで楽しいゲーム大会。ここではキャンプの達人・柱島の山本先生の独壇場。みんなの笑顔が赤々と照らされて、笑い声が見壁の山にこだましていました。
 最後は花火大会でしめくくりました。キャンプファイヤーの残り火を使って花火に火をつけます。何歳になっても花火の華やかな輝きには心を奪われます。そして、火が消えてしまう瞬間の何ともいえない寂寥感・・・・。
 火は魔性の力を持つと言われます。漆黒の闇の中でゆらめく炎を眺めていると何やら哲学的になっていると自分に気がつきました。
 近頃ではキャンプでもキャンプファイヤーをしないことが多いのだそうです。ですが、この体験はぜひ子どもたちにさせてあげたい。そう考えるのは僕だけでしょうか。 


地引き網敢行

 テントに泊まった子どもたち。朝まで雨が降らないか心配でしたが、何とか天候も持ちこたえてくれたようです。
 朝は6時に起床。朝の集いではラジオ体操で目を覚まし、中学生諸君が一日の決意を語りました。
 講堂でとる朝食は洋風です。メロンパンにソーセージ、カップスープにバナナが1本。みんなで輪になって食べました。それから、男子諸君は力を合わせてテントの撤収。女子諸君は浦浪さんといっしょにおにぎり作り。子どもたちも6人しかいないので、誰一人怠けたり手を抜いたりする子はいません。見ていて気持ちがいいほどでした。
 午前8時30分。船瀬海岸にて地引き網スタートです。近づく台風の影響で波も出てきました。予定を繰り上げての開始です。
 端島の保護者のみなさん、そして地域の方々を講師に招いての挑戦です。この地引き網、引いてみて初めて分かることですがけっこう重量があるのです。ですから、スルスルスルと引けるような感じではありません。ヨイショ、ヨイショと掛け声をかけて引きました。講師のみなさんのお話では、人がたくさんいればよいというものでもないそうです。たくさんの人が一気に引き上げると網が海底から浮いてしまい、魚が入りにくいのだとか。大切なのはゆっくりゆっくり、そして左右の引き手がスピードを合わせて引くことだと教わりました。
 おそるおそる1回目を引き上げると…おおっ!大漁! たくさんのギザミ(ベラ)に混じって、30p級のチヌが数匹かかっていました。これにはみんなも大喜び。チヌという魚は特別かしこい魚で、網が迫ってきたと感じるや横へ反転して逃げるそうです。ですから左右の網の引き方のバランスが悪いと、短い方から逃げてしまうのです。だから、左右のバランスが大事と言われたのですね。ということはチヌがかかったということは…「こりゃあ、左右の引き手の案配がよかったんじゃの」とお褒めの言葉をいただきました。
 それからもう1回引きましたが、今度も成功。大きなコノシロやタイの姿も見受けられました。
 2年前にも同じような曇り空の下、みんなで地引き網を引きました。僕もこの端島に来てからというもの、なかなか経験できないようなことをさせてもらってるなあと感激しています。


そして、お別れ

 柱島のみなさんは午前中で帰られることになりました。風も波も強くなる一方です。
 最後に講堂で「お別れの会」を開きました。柱島と端島の小学生が力を合わせて、会の司会進行・あいさつなどを進めてくれました。
 この2日間、中学生はよくリーダーシップを発揮してくれました。そして小学生のみんなも中学生の姿をお手本にして自分たちができることをがんばっていました。柱島のみんなは、近くて遠いお友だちです。距離にしてわずか2qなのに、海が隔てているためになかなか会うこともできません。それだけにこうした活動、こうした経験を大切にしていきたいと思っています。
 秋にはお互いの運動会に参加することになっています。そして、今度は僕たちが小瀬小学校にうかがうことになります。今度こそ、小瀬の子どもたちと会うことができます。
 その日を楽しみに、そしてこの2日間の思い出を励みに、これからも端島っ子はがんばっていくことでしょう。

 最後になりましたが、今回の自然教室では柱島小中学校の先生方、端島の保護者の皆様、地域の方々に大変お世話になりました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

 ありがとうございました。

 これからも、よろしくお願いいたします。