
| 3月8日(土)、平成14年度端島小学校『学習発表会』が行われます。 本校にとって『学習発表会』は『端島大運動会』と並ぶ一大行事です。 このコーナーでは、本番間近となった『学習発表会』に向けた子どもたちのがんばりや練習風景、準備の様子、プログラムの見どころなどを紹介していきたいと思います。 |
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■「むかべ学習」の発表■
本年度端島小学校では「むかべ学習」の時間に、大きく分けて3つのテーマをもって活動してきました。 まず一つめの課題は「情報」を活用するための知識や技術を身につけること。これは主にパソコンを使った授業になります。子どもたちはインターネットで知りたい情報を検索したり、Eメールを送ったり、オリジナルのシールや名刺、カレンダーを作ったりもしました。もちろんあらゆる「情報」を扱うわけですから、パソコンだけを学ぶわけではありません。図書室の本や図鑑、友達とのお手紙のやりとりなども通じて子どもたちは情報の見つけ方・探し方について学習してきました。 2つめの課題は「環境」について考えようということでした。環境と一口にいってもそれはあまりにも漠然としています。そこで本年度は子どもたちにとってもっとも身近で親しみやすい自然、「海」を中心に学習を展開しました。 3つめの課題は「端島を知る」ということでした。これは3年生の社会科の学習にもつながることですが、子どもたちのふるさとである端島をもっとよく知ろうということです。 学習発表会とはこれまでの学習の成果を見ていただく場ですから、発表会用にあわてて何かするのではなく、これまでの活動の中からみなさんの前で発表できそうなことを2つほどピックアップすることにしました。
A2学期にまとめた「端島のお祭り」について発表します。これは、広島県の古頃小学校との情報交換の中で取り組んだ活動です。その際に資料として送ったビデオを使った上映発表という形になります。
子どもたちの活動に先生がどこまで手を貸してあげるべきか。これはいつも議論されることでもありますが、僕は、先生と子どもたちが力を合わせることで子どもたちの力以上のものをどんどん経験させた方がいいと思います。自分たちにできないことを経験することで子どもたちは、それが「できるようになりたい」と思うわけですから。その思いが意欲となり、さらなる成長へつながっていってくれればなぁと思っています。 |
■二人劇『手ぶくろを買いに』■
昨年の学習発表会が終わった時点で僕は、今年の劇の演目を決めていました。小学3年生の国語の教科書に載っていた物語『手ぶくろを買いに』(新美南吉・作)です。僕自身も小学3年生の時にこの物語を勉強しました。このアイデアを僕に教えてくださったのは恒松校長先生の奥様、信子先生でした。劇だけではなく歌声も織り交ぜる“オペレッタ”形式で、楽譜付きの台本を紹介していただいたのです。 端島で劇の題材を考えるときは作品の内容等ももちろん考慮しますが、二人だけで演じられるかどうかということが優先基準となります。そういった意味でもこの『手ぶくろを買いに』という題材はピッタリでした。ただ、誤算だったのは今年度より使用している国語の教科書にはこの物語が掲載されていないということでした。これはショックでしたね〜。そこで岩国教育事務所の鈴木先生にお願いしてこの物語が掲載されている教科書を貸していただき、国語の時間を使って学習しました。
生まれて初めて「冬」を迎えた子ぎつねがたった一人で人間の町へおりていき、あったかい手ぶくろを買いに行くというストーリーです。人間の怖さをよーく知っている母さんぎつねは子ぎつねの左手を「人間の手」に変えてあげました。しかし子ぎつねは帽子屋のご主人に、きつねのままの右手を差し出してしまうのです…さて、子ぎつねはどうなるのでしょうか…というのがあらすじです。 「子ぎつね」を演じるのはゆうちゃんです。かわいくて無邪気な子ぎつねをがんばって演じます。かいくんは「母さんぎつね」です。おっとりしていて心配性で、子ぎつねのことがかわいくてたまらないって感じが出せるようにと苦心しています。またかいくんは「帽子屋のご主人」も演じます。一人二役ですね。はりきってます。 そのほかにも浦浪さんやみいくんが“特別出演”してくれるところもありますが、それは当日までナイショです。
背景画は慶子先生の手によるものです。運動会のパネル画に続いての力作です。「帽子屋店内の絵」を2日かけて描きあげてくれましたが、水彩絵具で陰影までこだわる念の入れようです(笑)。僕だったら大きなハケを使ってペタッとした感じの背景になったでしょうが、「そんなんじゃダメ」というので任せました。子どもたちも「すごーい」と目を見張っています。まあ、物事をやるからにはこれぐらい気合いを入れてやらなきゃ、徹底的にやらなきゃってところ見せられたのではないかと思います。
照明係は校長先生の分担です。今年は本物のスポットライトを借りてきました。その光量には子どもたちもビックリ。劇中では場面に応じて光の絞りを変えたりライトの色を変えたりと校長先生も大忙しです。 昨年の劇もそうでしたが、子どもたちも僕たちもみんなが力を合わせて一つの「作品」を仕上げているような手応えを感じています。子どもたちは3日後には文字通り“スポットライトのあたるステージ”に立ちます。これまでの練習の存分に発揮できるようにみんなでサポートしていくつもりです。かいくんもゆうちゃんも、みんなが支えてくれているんだという思いを胸に自信を持って本番に臨んでくれればと思います。 |
■音楽発表■
1年生の時は『こいぬのマーチ』、2年生の時は『山のポルカ』を鍵盤ハーモニカで演奏しました。 今年は『端島小学校校歌』に挑戦です。慣れ親しんだ校歌を3つのバージョンでリミックスし、メドレーにして歌ったり演奏したりします。 まず、「スタンダード」。いつもの伴奏で元気に校歌を歌います。 続いて、「鍵盤」。ポップス調の伴奏にのって鍵盤ハーモニカで主旋律を演奏します。僕もチャレンジしてみたけれど、鍵盤ハーモニカでの演奏はピアノやキーボードに慣れた者にとってはけっこう難しかったです。子どもたちのがんばりにエールをよろしくお願いします。 最後は、「ラテン」。サンバ調にアレンジした校歌にあわせて打楽器を打ち鳴らします。タンバリン、すず、カスタネットといったメジャーな楽器から、ウッドブロック、ギロ、拍子木といった風変わりな楽器を使って、元気に明るく演奏したいと思います。
みんなで「怪獣のバラード」という歌を歌います。この歌は小・中学生の合唱曲の定番として有名なのだそうですね。以前に恒松校長先生がお話の中で「この歌をかいくんとゆうちゃんに歌わせてみたいなぁ」と言っておられたのを思い出したのです。僕もこの歌を子どもたちに歌わせてみたいなあと思いました。 実は、今年はいったんあきらめかけました。子どもたちの出番がずいぶん多くなり、これ以上やることが増えるとパンクしちゃうかなと思ったからです。ところが日々成長しつつある子どもたちのおかげで、こちらの予想をはるかに上回るペースで練習は進みました。これならプログラムを追加してもいけそうだなと考えました。 当初は子どもたちふたりと僕との3人で歌うつもりでした。で、実際に練習をしてみたのですが、なんだかしっくりこない感じです。さみしいというか、盛り上がらないというか。次に考えたのは、僕たち3人が歌うそばで慶子先生が怪獣の着ぐるみを着て踊るというアイデアでしたが、2秒で却下されました。 「校長先生や浦浪さんにも参加していただいたら?」 「だったら、お父さんやお母さん、みいくんたちもいっしょに歌ったらどうかなぁ」 と話がふくらんでいき、最終的に「端島合唱隊」の結成となったわけです。「端島合唱隊」は、亀田家のみなさん、笹村家のみなさん、校長先生、浦浪さん、慶子先生と僕とで構成されています。そこへ、学習発表会のためにわざわざ大阪から駆けつけてくれた大学生、浅川君と池田さんも助っ人として参加してくれることになりました。 保護者のみなさんは「恥ずかしいのぅ」とか「歌えるやろうか」なんてご心配の様子でしたが、いざ練習が始まるとみなさんノリノリです。それぞれ練習用のCDをお渡ししたところ、家でもご家族みんなで練習をしているとのことです。いいことですね。ちなみに伴奏は「SSW」で作成しました。 本日、最後の合同練習が終わりました。さて、初めての試みはどのような結末を迎えるのか…。
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| ■いよいよ本番・みんなで準備■ 学習発表会本番がいよいよ明日に迫りました。今日は予行練習です。本番に合わせて午前9時から始めました。 子どもたちの状態はほぼベストといえそうです。過去最高の仕上がりといっても過言ではありません。ところが今日は僕の方がミスを連発してしまいました。それでなくてもやることが多いところに今日はビデオで録画までしようとしたため、NG連発。あとでふたりの子どもたちに「すみませんでした」と謝りました(笑)。しかし、予行練習というのは大事ですね。そのほかにも想定外のトラブルが突然起こったりして、みんなで慌てました。だけどこういうトラブルを事前に見つけ出すための練習ですから。おかけで対策も万全です。 午後からは会場の準備です。講堂にじゅうたんをしいたり、電気配線をチェックしたり。お招きする楽団のみなさんの控室も準備しました。長机を運び、パイプ椅子を並べたり、約1時間で準備は終わりました。 こうしてみんなで会場を清掃したり準備をしたりしていると、卒業式の雰囲気に似ているなぁと感じました。この学校ではこの3年間まだ一度も卒業式がありません。ですからこうやってみんなが力を合わせて会場を作ったりできるという意味でも、この学校では「学習発表会」はとても大切な行事なんだなと感じます。
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■本番点描■
朝の船でぞくぞくと来島者が到着されます。市教委社会教育課のみなさん、音楽を聴かせてくださる楽団のみなさん、天体教室講師の岸村先生、有福先生、それから恒松前校長先生、磯部校長先生の奥様と娘のあきちゃんなどなど、文字通り“島が沈みそう”になるほどです。 午前9時の開演にあわせて島のみなさんも学校へとお集まりくださいました。開演時刻には端島の小さな講堂が人でいっぱいになりました。これは、今までの学習発表会ではちょっと記憶にないぐらいの盛況です。 子どもたちはがんばりました。本番通り、いや、本番以上に自分たちの力を発揮できたと思います。1・2年生の頃は本番に緊張して早口になったりする様子も見られましたが、今回は終始落ち着いて堂々と発表できました。まさに「適度な緊張感」がベストパフォーマンスにつながったのだと思います。 最後にみんなで『怪獣のバラード』を歌い終えたとき、ぐっと胸にこみ上げてくるものがありました。それまで張りつめていたものがプツンと切れて、ちょっと足がふらついて焦ってしまいました(笑)。 学習発表会の後、子どもたちに言いました。 「本当に、最高の学習発表会だったぞ。日本一だ。君たち、自信を持てよ。胸を張れよ。」 子どもたちは、長い間努力を続けた者のみが味わえる達成感・充足感に浸っている様子でした。
第2部の「音楽鑑賞会」は市教委社会教育課の主催によるものです。『音楽集団ブリランテ』 の皆様、『音楽を愛する仲間たち』 の皆様がそのすばらしい腕前を披露してくださいました。本物のバイオリンやフルートを間近で見ることができて子どもたちはもちろん、島のみなさんも大変世喜んでおられました。子どもたちがバイオリンを弾かせてもらったり、みんなでクイズのコーナーというのもありました。曲目も分かりやすくて誰もが一度は聴いたことがあるような曲ばかりで、あっという間の1時間30分でした。端島のみなさんにとってはおそらく生まれて初めて経験される方も多かったのではと思います。
夕方6時からは第3部として「天体教室」が行われました。岸村先生と有福先生のご協力で、望遠鏡を使ってたくさんの星を見せてもらいました。月の表面、木星、土星、オリオン座星雲、プレアデス星団(通称“すばる”)などを観測しましたが、コンディション的には岸村さんいわく「最高。これほどよく見えることはほとんどない」とのことでした。いや、本当によかったです。これも、端島の夜空が汚染されることもなく美しいからでしょうか。木星の“しま模様”もはっきり見えましたし、土星の“リング”も金色に輝いていました。翼を広げたようなオリオン座星雲、ダイヤモンドをちりばめたようなプレアデス星団…みんながこれまで何気なく見上げていた端島の夜空も、これからは少し違った気持ちで見上げることができるようになるのではないでしょうか。
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